乳児クラスはとても家庭的で美しいものでした。
園の周囲の自然物のリース・オブジェや、手作りの手芸品など、「心を込めて暮らす」空間を感じました
保育室は、子どもが主人公として生活しやすいよう、動線をよく考えて改良が重ねられていました。(どの部屋にもトイレがあり、遊んで・食べて・眠る、の全てを、保育室で大好きな先生に見守られながらできます
また、子ども一人一人のテンポを尊重する、洗練された保育士さんの接し方がありました。
すべて個人的な接し方で、その子のそばで、必要なだけの声の大きさで話しかけていました。
遊具や家具も、洗練された木製玩具、おもちゃ作家に特注したもの、子どもに合わせた手作りのものが主でした。遊具予算が、クラス独自の単年度分・積み立てて計画的に購入する分、という考え方で大きくとってあるそうです。
幼児クラスも、美的な環境作り、子どもが主体的に生活できる保育室、個人的な接し方など、基本的には乳児と変わらないものを感じました。
ただ、幼児の活動の多様性にあわせて、おままごと・積み木・レールセット・パズルなどの基本の遊具の他に、小石やきれいなひもや袋などの素材が置かれていたり、子どもの夏休みの写真(家庭から持ってきたもの)や、地域の夏祭りの半纏や団扇が飾られていて、子どもが体験を話しながら興味関心を広げていけるようにしてありました。
幼児の知的な要求を拾っていく、アンテナの高い職員がいらっしゃるようです。
3・4・5歳児の異年齢混合クラスなのですが、どの子も安定して遊んだりくつろい
だりしており、「居場所」らしさがありました。
(2002.9.6 篠崎 )
見学後、菅野さん(野方北保育園の引継ぎ園長)、星野さん(桜ヶ丘第1保育園現園長)と懇談しました。
民営化、企業化で、子どもの育ちを中心的に考える保育所以上に、親の利便性が優先される保育所が是とされる時代の流れの中、一つでもよりよい保育園を増やしつつ保育水準の維持発展に向けた活動の輪を広げるために、具体的な行動を起こしていきたい、と応募しました。
「中野の保育を考える会」のお手紙や「民営化への提言」にも、「このように、真剣に保育園と保育行政のことを考える父母がいるのか」と、はげまされました。
団地が作られる際、保育園用地は確保されていましたが、保育園がありませんでした。
保育園を求める親たちが「保育園入園希望父母会」を作り、そのころ幼児教育の志をもった前理事長が、法人設立・園舎建設に名乗りをあげ、理事会・父母会が建設運動と職員探しに奔走する、という起源をもつ保育園です。
今でも、保育園父母の意識は高く、保育園のために力を発揮してくれる伝統があります。
公立保育園としての保育園が、私立に転換されるだけでも、子どもたちや父母のみなさんの精神的な負担は、大きいものと思います。(現野方北保育園の、子どもたちや父母の皆さんの信頼が大きいからこそ。)
異年齢混合保育だけでなく、保育に関わる大きな問題については、いつも父母の皆さんのご理解をいただきながら、すすめるようにしたいと考えています。
「4回食」の考え(おやつも大事な食事として考える、という考え方)に基づいて、おやつが腹持ちの良い、栄養価の高いものになるようにしています。
また、旬を大事にし、安全な食品の調達にも心がけています。
乳児では、一人一人の日課や食欲、体調、機嫌にあわせて、タイミングよく提供できるように、保育室の向かいで、子どもの顔を見ながら調乳・調理を行っています。
幼児でも、着席した子から、一人一人コミュニケーションをしながら、盛り付けています。
「食事は、食べ物だけでなく、食べる環境も含む文化」と考え、食事を盛る器も、全年齢で陶磁器を使っています。新園でも陶磁器での食事としたいと思います。
まだ、明らかになっていないこともありますが、感染に弱い0歳児については、他の年齢とは一緒にすべきでないと考えています。夕食の提供については、具体的なやり方を検討中です。
延長保育の料金については、区とよく相談します。
以上のようなお話でした。
「やはり、百聞は一見にしかず」で、見学に行くことで、保育で大事にしているポイントがよく見えました。野方北保育園の現在のよさを引き継いでいただくためにも、今まで以上に、目を凝らして、見届けていきたいと感じました。
(2002.9.11 篠崎 )
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桜ヶ丘第一保育園に行って
緑に囲まれた園舎に入っていくと、ゆったりした空気の流れを感じました。
なぜだろうと観察してみると、
まず、先生方のゆっくりとした優しく語り掛けるような子供たちとの会話。
子供たちは、自分の遊びに夢中になりながらも、まわりの友達に対して自然な思いやり。
部屋の中は、季節感を感じる小物を配している。 明るく清潔な園舎。
これらのせいかなと思いました。 これらは、職員平均勤続年数15 年からくるものかなとかんじました。
園長との話で印象に残ったのは、親の働く環境が不安定になってきているように感じる、という話しです。昔は、何時から何時までと働く時間は固定化されていたのが、最近は午前中とか、午後から夜中までというように流動化している親が増えているそうです。
子供だけではなく、親も含めて社会全体を見回す感性を感じました。
こ のような(子供にとって)質の高い保育を行っている法人が中野に来るのはうれしいのですが、財政的に大丈夫か心配です。
中野区が、区立と同定の援助を行うことを望みます。
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